森 絵都著「カラフル」
「不朽の名作!10代が終わるまでに読んでおきたい作品No. 1!!」
20歳の私はもう10代ではないという事実を再認識しつつも、なんだかチャンスを逃したみたいで悔しかったので反射的に手にとってしまったこの作品。要するにうまいこと乗せられた。たった25文字に行動を促された。25文字の勝利!
あらすじ(簡略化してます)
生前の罪により、輪廻のサイクルに外された魂が天使によってそのサイクルに戻るための再挑戦のチャンスを与えられる。だが、幾分生前の罪が重かったのか、その魂は自殺を図った中学生の少年、”小林真”の身体にホームステイして前世の自分の罪を思い出さなければならなくなった。真として過ごすうちに魂は人の欠点や美点が見えてくるようになるが.......
「この大変な世界ではきっと誰もが同等に傷物なんだ。」
これは真の体を借りた魂が発したセリフ。
不倫をしていた母親、虚栄に満ちた父親のカッコ悪い姿、好きな女の子の援助交際現場などたくさんの人間の醜い部分を見て、信じていたものが一気に覆され自分の生きる世界のバランスが崩れた真だったが、真ではない魂が自由にその大変な世界を動き回ることによっていろんな人間の真の部分が見えてくる。
生きていく中でたくさんの理不尽な状況や不運に出くわした時に絶望で自分の生きるこの世界から目をそらしたくなる瞬間は少なからずあると思う。
その時思い出したいのがこの言葉。
自分だけが神様にいじわるされて、この世の不幸を一身に浴びさせているのではなく
生きていく上で最低限必要な試練をみんな平等に与えられている。
それは一生分!?と思いくらいの量が一気に襲いかかることもあるし、ちょくちょく降りかかることもあるかもしれない。
けど決して神様の集中攻撃ではなく、朝の電車のぐったりしているサラリーマンもテレビで楽しく笑う美人モデルもみんな同等に最低限の不幸が与えられ、傷ついている。
その中でいかに自分で自分を縛らず自由に動き、しぶとく生き抜くことが大切だなと思った。
生きると言うことはゲームみたいに簡単にやり直せないし、一つ一つが自分の選択と思うとこの先が怖く感じることもたまにある。
けど魂のように自由に動き回って周りのものから不条理回避のヒントを必死に探し、自分の不甲斐なさをボロクソに叱って泣いたり、苦しんだりしてもなお、カラフルすぎて目がチカチカするようなこの大変な世界で色にまみれて生きることの素晴らしさである。
おまけ
難しいこともう書くの無理ー!!!
ってなって最終的に伝えたいのは
この作品を読むと人のことが大好きになります。
人はみーーーーんな、この世界で丁寧に計画されて作り出されたかけがえのない存在なんだな!!!!!って思う!!!!
以上。(雑)